外壁塗装のマスチック工法とは?特徴やメリット、デメリットを解説

マスチック

外壁塗装における一つの工法として、マスチック工法というものがあります。

しかし、専門的な用語なうえ、それがどのようなものなのか分からないという方はとても多いでしょう。

この記事では、外壁塗装のマスチック工法についてご紹介します。

マスチック工法の特徴や、マスチック工法で施工するメリット・デメリットについても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

マスチック工法はひび割れを防止できる工法

マスチック工法は、簡単にいうと外壁のひび割れを防止できる工法のことをいいます。

スプレーガンやエアスプレーなどで行う吹き付け塗装とは異なり、マスチック工法では多孔質のハンドローラーを用いて下塗り塗料を厚く塗ります。

ローラーはヘチマのような形状になっているため、塗膜に厚みを持たせることができるのです。

また、厚みを持たせる分、通常の下塗りよりも2~3倍の量の塗料を使用します。

マスチック工法を行う場合、見積書には「マスチック工法」という言葉ではなく、「マスチックローラー仕上げ」や「気泡ローラー仕上げ」、「厚塗り波型模様」といった表現が使われることがありますが、すべてマスチック工法のことを指しています。

マスチック工法の特徴

マスチック

外壁のひび割れを防ぐ効果のあるマスチック工法ですが、ひび割れ防止以外にも次のような特徴があります。

耐久性のある塗装を実現できる

マスチック工法では、ひと塗りで通常の2~3倍もの量の塗料を塗布することができます。

そのため、厚膜を形成することができ、耐久性のある塗装を実現できるといった特徴があります。

そもそも外壁塗装は、外壁材を紫外線や雨風など外気からの刺激から保護する役割があり、塗料の耐久性が優れているとその分、外壁材の保護機能が強化されるということになります。

ゆず肌仕上げを実現できる

ゆず肌仕上げとは、その名の通り外壁の表面がゆずの皮のような凹凸のある仕上がりになる方法のことをいいます。

一般的な塗料はローラーで塗られていくため、仕上がりは滑らかな表面になります。

一方、マスチック工法はローラーに大小様々な穴の模様があるため、そのまま塗膜の表面にも反映され、ゆずの皮のような模様に仕上がるのです。

塗料の飛散が少ない

マスチック工法とは別の工法でゆず肌仕上げを実現するには、スプレーによる吹き付け工法を実施するのが主流となっています。

スプレーによる吹き付け工法は、広範囲に塗料を塗布することができる反面、周囲に飛散してしまうといった弱点も持ちあわせています。

また、必要以上に塗料を使ってしまうため、塗料が無駄になるうえ、飛散防止のための養生も大掛かりになります。

マスチック工法は、多孔質のハンドローラーを用いて塗布することでローラー塗りでありながら凹凸のあるゆず肌仕上げを実現できるため、塗料の量を最小限に抑えることができるうえ、飛散の心配がないため養生も塗装面の周囲だけで問題ありません。

また、塗料の飛散は住宅街など住宅が密集している地域では、近隣トラブルに発展する可能性もあるため、十分注意する必要があります。マスチック工法であれば、塗料の飛散が少ないため、都市部など住宅が密集している地域でも低リスクで施工できるのも特徴です。

マスチック工法が向いている外壁

耐久性が高く外壁のひび割れを防ぐ効果が高いマスチック工法ですが、すべての外壁に適しているかというとそうではありません。

ここからは、マスチック工法が向いている外壁についてご紹介していきます。

モルタルまたはALCの外壁

モルタル

マスチック工法が向いている外壁の種類として、「モルタル」や「ALC」が挙げられます。

どちらの外壁も主成分がセメントや砂で、表面に凹凸があるのが特徴です。

マスチック工法の仕上がりの特徴としてゆず肌仕上げになるため、元々凹凸のあるモルタルやALCの外壁は適用しやすいでしょう。

なお、サイディングのように表面が滑らかな外壁にマスチック工法を施すと、滑らかさは失われ凹凸模様が出ます。マスチック工法は、元々凹凸のある外壁に適していると考えて良いでしょう。

ひび割れが多数ある外壁

マスチック工法は、築20年以上経過しておりひび割れが多数ある外壁への工法としても適しています。

マスチック工法の特徴として、塗膜に厚みを持たせてひび割れを防ぐという効果があります。

ひび割れが多数ある外壁にマスチック工法を施すことで、モルタルやALCのひび割れを防ぎ、耐久性を高めることができます。

マスチック工法のメリット

ここからは、マスチック工法のメリットについてご紹介します。

柔らかくひび割れに強い

マスチック工法の大きなメリットは、施工後の外壁はひび割れに強くなるという点です。

外壁のひび割れを防ぐ目的で施工されるマスチック工法ですが、使われている塗料にも特徴があります。

基本的に、マスチック工法にはフィラーという粘度の高い下塗り塗料が使われています。見積書を見ると「○○フィラー」と記載されていることが多いです。

外壁は紫外線や雨風、地震などの影響で絶えず動いていますが、粘度の高い下塗り塗料を使うことで塗膜割れを防ぐことができます。

防水性が高い

フィラーという粘度の高い下塗り塗料は、弾性が高く塗布すると外壁に密着する性質があります。

これにより、建物の防水機能を高めることが可能になります。

そもそもマスチック工法は、施工時に通常の外壁塗装よりも厚く塗るといった特徴がありますが、弾性の高い性質を持つ塗料を厚く塗っているため、自ずと防水層が厚くなり建物への浸水を防ぐことができるのです。

マスチック工法のデメリット

メリットの大きいマスチック工法ですが、一方で以下のようなデメリットもあります。

耐用年数が短い

一般的に外壁塗装の耐用年数は8~10年ほどといわれていますが、マスチック工法の耐用年数は5年程と短いです。

ひび割れ対策としては有効ですが、耐用年数を考えるとメンテナンス周期が短くなるため、その点も含めて検討する必要があるでしょう。

施工費が割高になる

マスチック工法は、多孔質のハンドローラーを用いて下塗り塗料を厚く塗るため、他の外壁塗装工法と比べると手間と時間がかかります。

そのため、施工費が高くなる傾向にあります。

施工費の詳細については外壁塗装を行う規模や使用する塗料の種類によって異なるため、一概にはいえませんが、見積もりを取る際には割高になる旨を把握しておくと良いでしょう。

マスチック工法の注意点

最後に、マスチック工法の注意点について3つご紹介します。

業者選びが難しい

マスチック工法は、他の外壁塗装工法よりも高い技術が必要となる工法です。

多孔質のハンドローラーを用いて均一な厚みを持たせて塗装するため、塗布する技術がないと仕上がりが悪く見た目も大きく変わってしまいます。

そのため、マスチック工法を希望される場合は、マスチック工法を得意とした外壁塗装業者を選ぶのがポイントとなります。

マスチック工法の事例があるか、経験はどのくらいかなど各外壁塗装業者のホームページを確認したり、直接電話で問い合わせてみましょう。

また、施工例など参考となる画像があれば見せてもらうのもおすすめです。

ひび割れを防ぐだけでなく、見た目も良い外壁にするために、業者選びは慎重に行いましょう。

「はまだ真心塗装組」では、マスチック工法を用いた塗装の実績も多数ございます。お気軽にご相談くださいませ。


仕上がりに凹凸がある

マスチック工法の特徴をご紹介する際にも述べましたが、マスチック工法の仕上がりは凹凸があるのが特徴です。

そのため、元々凹凸のあるモルタルやALCの外壁材であれば問題ありませんが、表面がツルっとして滑らかなサイディングなどの外壁材には適しませんので注意しましょう。

粘度がある塗料しか使えない

マスチック工法は、粘度の高い塗料を使って厚塗りするという特徴がありますが、言い換えると粘度がある塗料しか使えないという性質を持っています。

マスチック工法では、塗料を一度に分厚く塗布していく必要があるため、粘度がないサラサラとした塗料では厚みを持たせてひと塗りすることができないからです。

とはいえ、塗料の種類が少なく限られているということはありませんので、粘度のある塗料の中から外壁塗装業者と相談しながら希望する塗料を選ぶと良いでしょう。

まとめ

外壁塗装のマスチック工法は、凹凸のあるモルタルやALCなどの外壁材に適した工法です。

多孔質のハンドローラーを用いて下塗り塗料を厚く塗ることで、防水性を高めるとともにひび割れを防ぐことができます。

ただし、他の外壁塗装工法よりも高い技術が必要となるため業者選びは慎重に行う必要があるでしょう。

マスチック工法の実績が多く、経験豊富な外壁塗装業者を選ぶことが重要です。

「はまだ真心塗装組」では、姫路市近郊の外壁塗装・屋根塗装を行っています。マスチック工法の実績もあり、施工内容につきましてはお客様が納得し安心して依頼できるよう丁寧に説明しとことんサポートしております。

外壁塗装のマスチック工法をご検討中の方は、ぜひ「はまだ真心塗装組」に相談してみてください。