外壁塗装のケレン作業とは?種類や必要性を解説

ケレン

外壁塗装の作業内容の一つに「ケレン作業」という工程があります。

外壁塗装の見積もりを見ていたら、塗装の他にも「ケレン作業」と書かれており、疑問に持たれる方もいるでしょう。

この記事では、外壁塗装のケレン作業についてご紹介します。ケレン作業の種類や必要性についても解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装のケレン作業はサビや旧塗膜などを除去する下地処理

ケレン

外壁塗装のケレン作業とは、外壁塗装の下地処理工程の一つで外壁に付着したサビや旧塗膜などを除去することをいいます。

円盤形のサンドペーパーを回転させることで研磨するディスクサンダーやケレン作業用ハンマーなどを使って作業を行います。

外壁塗装を行ううえで必要となる工程ですが、必ずしも実施される工程ではなく場合によってはケレン作業が不要なケースもあります。

ケレン作業の必要性や不要なケースにつきましては、後ほど「外壁塗装にケレン作業が必要な4つの理由」の章にて、詳しくご紹介します。

ケレン作業の種類

一口にケレン作業といってもケレン作業には4つの種類があり、大型設備で行うものから小型工具で行うものまで、その手法は様々です。

ここからは、ケレン作業の種類別に作業方法をご紹介していきます。

1種ケレン

1種ケレンは、「ブラスト法」と呼ばれる方法で行われるケレン作業です。

金属片などが含まれている研磨剤を吹き付けることで表面を研磨し、塗装面に付着したサビや腐食、塗膜などを除去して鋼材面を露出させます。

1種ケレンは主に橋や船などの塗装の際に使われており、一般住宅で使われることはありません。

研磨剤を高圧ホースなどを用いて素材にぶつけることで鋼材面を露出させるため、大型設備が必要となり、手間もかかる作業です。

2種ケレン

2種ケレンは、広範囲にサビが発生している場合や状態が悪い場合に行われるケレン作業です。

1種ケレン同様、塗装面に付着したサビや腐食、塗膜などを除去しますが、2種ケレンでは完全には除去しないのが特徴です。

サビの発生面積が鋼材の30%以上の場合に行われる作業で、主にディスクサンダーやワイヤーホイールといった電力工具を使って作業が行われます。

2種ケレンは鉄骨建築の外壁などに使われる方法で、職人が手作業で行うため手間がかかるため、費用が高額になる可能性が高いです。

3種ケレン

3種ケレンはサビの範囲が少ない場合に行われるケレン作業で、塗膜をすべて除去するのではなく保護膜として機能している「活膜」を残しながら行われます。

1種ケレンや2種ケレンと比べると作業する箇所が少なく電気工具を使って作業していきますが、電気工具を使えない狭い箇所ではサンドペーパーやワイヤーブラシなどを使って手作業で行われています。

主に一般住宅の外壁や屋根の塗装で行われる作業です。

4種ケレン

4種ケレンはキズや汚れのある古い塗膜だけを除去するケレン作業です。

サビや腐食などがなく状態が良好な外壁に使われる作業で、サンドペーパーやワイヤーブラシ、研磨スポンジなどを使って手作業で行われます。

表面に付着した汚れを取り除くといったイメージです。

外壁塗装にケレン作業が必要な4つの理由

外壁塗装を行ううえで必要となるケレン作業ですが、なぜそのような作業が必要なのか。

ここからは、外壁塗装にケレン作業が必要な理由を4つご紹介します。

サビを落とす

外壁塗装を行う際、塗装面にサビが発生している場合はサビを落とす必要があります。

サビが発生している状態でそのまま塗装すると、塗装直後はサビを隠すことができますが、サビ自体がもろいためすぐに剥がれ落ちてしまいます。

そのため、サビが発生している外壁に塗装する場合には、まずは発生したサビを落としたうえで塗装する必要があり、サビを落とすケレン作業が行われるのです。

新たに塗装する場所に塗料が付着しやすくなる

塗装面がツルツルしている場合、塗料が付着しにくい部分に細かい傷をつけて目荒らしを行う目的でケレン作業が行われるケースもあります。

ケレン作業によって目荒らしを行うことで表面積が増え、塗料を食い込ませることができます。

塗料がしっかり食い込むすなわち付着することで、塗料が付着しにくい部分にもしっかり塗装を行うことができるのです。

このように、塗装する場所に塗料を付着しやすくする目的で行うケレン作業については、「アンカー効果」や「投錨効果」、「ファスナー効果」とも呼ばれています。

旧塗膜を除去する

ケレン作業は旧塗膜を除去する目的でも行われる作業です。

塗装面に元々塗布されていた塗料の旧塗膜が残っている場合、新たに塗布する塗料が密着しにくくなるため、新たに塗布する塗料が密着しやすいように旧塗膜を除去するケレン作業が行われます。

ただし、一口に旧塗膜といっても保護膜として機能している「活膜」と保護膜としての機能を失っている「死膜」があり、塗料の密着を妨げるのは「死膜」のみです。

そのため、活膜はそのまま残し死膜のみを除去するのが一般的です。

塗布面を清潔にする

ケレン作業は、塗布面を清潔にする目的で行われるケースもあります。

陸屋根やベランダ・バルコニーの床面、立ち上がりなどの施工の際に行われることが多く、金属面や樹脂面への塗装を行う際に汚れを取り除く目的で実施されます。

布などに薬品をしみこませ、塗布する場所の表面に付着した油分などを拭き取り清潔にすることで、新たな塗料が付着しやすくなるのです。

ただし、ケレン作業は不要なケースもある

ケレン作業は外壁塗装において必要な工程の一つではありますが、場合によってはけれん作業が不要なケースもあります。

それは、外壁にサビが発生しておらず、塗料の付着力を下げる旧塗膜(死膜)が残ってない場合です。

そもそもケレン作業は、外壁に付着したサビや旧塗膜(死膜)を除去する目的で行われる作業工程です。

外壁にサビや旧塗膜(死膜)がなければ、ケレン作業を行う必要がないということですね。

ただし、ケレン作業の必要性については自己判断が難しいため、必ず外壁塗装業者に判断してもらうことをおすすめします。

ケレン作業の相場

費用

ケレン作業を行う場合、費用はどのくらいかかるのか。ここでは、ケレン作業の相場をケレン作業の種類別にご紹介します。

種類 作業内容 単価(㎡あたり)
1種ケレン 一般住宅では行われない
2種ケレン 電動工具などで研磨する下地処理 1,500~2,200円
3種ケレン 手作業などで行う下地処理 500~1,200円
4種ケレン 手作業などで行う下地処理 200~400円

ケレン作業は工具や薬品を使うと高額になりがちで、2種ケレンと4種ケレンでは4~5倍もの差があります。

メンテナンス周期が長い場合やしばらく放置した状態で外壁塗装を行う場合は、作業する規模が大きくなりやすくなるため、その分コストがかかってしまうといえるでしょう。

また、場合によってはケレン作業だけでは下地調整ができず、外壁材そのものを交換しなくてはいけなくなるケースもあり、そうなると費用はさらに高額になってしまいます。

外壁塗装に限ったことではありませんが、リフォームコストを抑えるためには、家のメンテナンスは早めかつ定期的に行うことが重要です。

ケレン作業を依頼する時の注意点

最後に、外壁塗装業者にケレン作業を依頼する時の注意点について、ご紹介します。

工事内容にケレン作業が含まれているか確認する

外壁塗装業者から外壁塗装の見積もりをもらったら、工事内容にケレン作業が含まれているか必ず確認しましょう。

ケレン作業は外壁塗装の耐用年数を保つため、また、建物の劣化を防ぐためにも大切な工程です。

しかし、外壁塗装業者の中にはケレン作業が必要であるにも関わらず、ケレン作業を省いて見積額を安くするという悪徳業者が存在します。

見積書の中に「ケレン」という文字が記載されているか、チェックしてみましょう。

ただし、サイディングボードや木材の下地調整を行う場合は、ケレンではなく以下のような項目が記載されるケースも少なくありません。

  • ・素地調整
  • ・下地調性
  • ・表面処理
  • ・下地補修
  • ・下地処理

これらの項目は、ケレン作業に該当する作業になります。

また、見積書に「材工共」と記載がある場合も注意が必要です。

材工共とは、作業マージンと材料費を合算した金額のことをいいます。この場合は、ケレン作業が行われるか判断が難しくなるでしょう。

見積書では判断が難しい場合は、複数の外壁塗装業者から相見積もりを取ることをおすすめします。

見積書にケレン作業の項目がなく見積額が極端に安い場合は、ケレン作業が省かれている可能性が高くなります。

費用は妥当か見積書を確認する

繰り返しになりますが、見積書を依頼したら妥当な費用か複数の外壁塗装業者から相見積もりを取り比較してみましょう。

ケレン作業が含まれているか、見積額に大きな差がないかはもちろん、ケレン作業は何種が行われるかについても確認されることをおすすめします。

「ケレン作業の相場」の章でご紹介しました通り、ケレン作業は種類によって費用が大幅に異なります。

相見積もりを取った際、ケレン作業の見積額に大きな差異がないか比較してみましょう。

資格を持つ業者を選ぶ

外壁塗装業者は免許や資格がなくても開業できますが、高い技術を持つ優良業者は以下のような資格を持っているケースが多いです。

資格 特徴
塗装技能士 一定以上の実務経験がないと崇徳できない資格。塗装に関する高い知識と技術を持っていることを証明できる。
外装劣化診断士 屋根や外壁の劣化状態を診断、修理方法をアドバイスできる。
足場の組立て等作業主任者 外壁塗装など、足場を設置するために必要な知識を持っていることを証明できる。

また、作業員が安全に作業でき、自己が起こらないよう指導する。

外壁塗装業者選びに迷ったら、このような資格を所有しているか確認するのもおすすめです。

まとめ

外壁塗装のケレン作業は、外壁に付着したサビや旧塗膜(死膜)などを除去する外壁塗装の下地処理工程の一つです。

サビや旧塗膜(死膜)の付着がない外壁に対しては行う必要のない作業ですが、経年劣化が起こっている外壁では行われるケースが多いため、外壁塗装を行う際にはケレン作業が実施されることが多いという認識で良いでしょう。

ただし、外壁塗装業者の中には見積額を安くするために、必要であるにも関わらずケレン作業を省く悪徳業者も存在します。ケレン作業を省くことで、外壁塗料の耐用年数が下がってしまいますので業者選びには十分注意が必要です。

「はまだ真心塗装組」では、姫路市近郊の外壁塗装・屋根塗装を行っています。ケレン作業を始め、施工内容につきましてはお客様が納得し、安心して依頼できるよう丁寧に説明しとことんサポートしております。
外壁塗装をご検討中の方は、ぜひ「はまだ真心塗装組」に相談してみてください。